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Abstract

腎細胞癌は肺・肝・骨髄などに比較的高頻度に血行性転移をきたすが,膵への転移は少ない.われわれは,腎摘後8年目に発症した膵転移の1例を経験したので報告する.症例は75歳,女性. 1990年12月,左腎細胞癌にて腎摘術を施行された. 1998年12月,腹部CT検査にて膵頭部に4×2cmの腫瘤を指摘され,精査加療目的にて入院となった. Magnetic resonance cholangiopancreatography (MRCP) 検査上,総胆管は腫瘤により圧排されており,主膵管は腫瘤存在部位に一致して断裂像を示した.血管造影では,膵頭部に腫瘍濃染像を示していた.血中膵ホルモンはsomatostatinを除き正常範囲内であり,転移性膵腫瘍の疑診下に1999年3月に開腹術を施行した.肉眼上,腹水や腹膜播種を認めなかったため,膵頭十二指腸切除術を施行した.摘出標本の病理学検査上,既往の腎細胞癌(淡明細胞亜形)と同一であり腎細胞癌の膵転移と診断した.術後経過は概ね良好であり,再発徴候を認めず健在である.