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Cytological study of pathological changes in Japanese black pine (Pinus thunbergii) seedlings after inoculation with pine-wood nematode (Bursaphelenchus xylophilus)

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1984

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Abstract

マツノザイセンチュウによるマツ属樹木の枯損現象に関する研究の一環として, 細胞学的な観察を行なった。すなわち, 3又は4年生クロマツ苗木にマツノザイセンチュウ (病原性), ニセマツノザイセンチュウ (非病原性) を接種した。接種後にクロマ木部が示した変化を, 接種後の時間的経過を追って観察した。得られた結果は以下の通りである。(1) マツノザイセンチュウ接種後初期の段階で, 放射柔細胞中に液胞が出現した。また液胞の出現範囲は短期間に, 地際近くまで広がった。(2) 液胞は内容物の一部として, タンニン系物質を含んでいた。(3) 液胞は接種後の時間的経過に伴ない, さらに発達し, ついには崩壊した。この段階の放射柔細胞は, 壊死段階にあるものと推定される。(4) ニセマツノザイセンチュウ接種木においても, 液胞は出現した。しかしその範囲は比較的狭かった。また液胞はほとんど崩壊しなかった。(5) 液胞の崩壊に伴ない, 仮道管中に柔細胞から移動したと考えられる物質が蓄積した。これらの中で, 木部仮道管中に広範囲に存在する物質があった。これら仮道管中の物質は, 水分通導の機能を低下させているものと推定される。以上の観察結果から, マツノザイセンチュウに起因する何らかの因子が柔細胞に作用し, 柔細胞は壊死したものと思われる。さらに柔細胞の壊死は, 仮道管中への物質の放出等の二次的な変化をもたらすと推定される。