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Preliminary observation of Aquilaria crassna wood associated with the formation of aloeswood
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1991
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香木である沈香の形成について, Aquilaria crassna を用いて予備的観察を行った。すなわち, 供試樹種の組織構造的特徴およびエイジングに伴う柔組織生活細胞の変化をまず調べ, その後人為的傷害に対して辺材部柔細胞に生ずる変化を沈香形成と関連するものとして細胞学的に観察した。得られた結果は以下の通りである。(1) 供試樹種はAquilqria属の他の樹種と同様に材内師部を持っていた。材内師部を構成する柔細胞は, 木部の柔細胞と同様に, 沈香形成に強くかかわっていると推定された。(2) 生活柔細胞内の貯蔵物質は主としてデンプンで, 脂質はごく小量含まれているにすぎなかった。形成層から内方へのエイジングに伴い, デンプンは徐々に減少し, 脂質はわずかに増加した。供試樹種の辺材幅は極めて広いと判断される。(3) 傷害後の時間的経過を追って生活柔細胞の変化を調べたところ, まずデンプンの減少が見られた。次に柔細胞内は顕著に液胞化を示した。(4) 液胞化の過程で高電子密度物質を含む液胞が出現し, また, 平行して細胞質基質も高電子密度となった。(5) その後高電子密度物質は生活柔細胞から周囲の木部繊維等へと移動した。これらの物質が沈香成分と強くかかわっていると推定される。