Japanese Journal of Applied Entomology and Zoology · 1994 · 20 citations · 0 references
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ミナミキイロアザミウマに対して強力な摂食阻害作用をもつ成分をトマト葉からメタノールで抽出し,水/ブタノール分配で部分的に精製した後,シリカゲルカラムクロマトグラフィおよび高速液体クロマトグラフィによって白色の結晶として単離した。呈色/沈澱テストの結果から,この結晶はアルカロイド配糖体と推定された。融点および比旋光度の測定結果は,いずれもα-トマチンのそれと一致した。加水分解物の糖成分はグルコース,ガラクトースおよびキシロース(2:1:1)で,α-トマチンを構成する糖成分と定性的定量的に一致した。結晶本体およびその酸加水分解物のアグリコン部分について,各種スペクトルを測定したところ,すべてα-トマチン標準物あるいはそのアグリコンであるトマチジンのスペクトルと一致した。α-トマチン標準物およびトマト葉から単離した結晶は,いずれも水に溶解せず,摂食阻害作用を示さない。しかしトマト葉汁液に存在するクエン酸,リンゴ酸,コハク酸の水溶液中ではイオンペアーを形成してよく溶解し,いずれも強い摂食阻害活性を発揮した。以上の結果から,ミナミキイロアザミウマに対して強力な摂食阻害活性をもつトマト葉起源の結晶を,α-トマチンと同定した。トマトの示す強力なミナミキイロアザミウマ抵抗性はα-トマチンの摂食阻害作用のみによってよく説明される。